粉や液体と比べるとどうなの

P&Gから、粉でもない液体でもない、第3の洗剤としてジェルボール洗剤が「ボールド」、「アリエール」のブランドラインで発売されました。乳幼児の誤飲などが多発していることもありますが、順調に売上げを伸ばし話題になっているようです。ランドリーと比べてどうなのか？との質問を多くいただきますので、今回の「洗剤アラカルト」はジェルボール洗剤ついてお話します。

まず、成分を見てみますとボールドもアリエールも界面活性剤が66％で直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩（LAS／石油系界面活性剤の代表成分）を中心に同じ成分の界面活性剤を使用しています。大体、粉洗剤の界面活性剤が22％（ビオトープランドリー22％）、アタックNeoなどの液体洗剤で60％（ビオトープドライ38％）ですからかなりの量だと思います。一般的に、界面活性剤が多いほど、洗浄力が高いと言われていますが、その分環境に関しては危惧されている事も事実です。LASなどは河川や湖沼で水生生物の保全に係わる基準値などが設定されています。また、液性を見ると中性となっています。洗浄力はアルカリ性＞酸性なので、粉末のほうが界面活性剤は少なくても、洗浄力が高いということも言えます。因にランドリーは弱アルカリ性です。

成分の中で、気になるのは蛍光増白剤が含まれていること。蛍光剤は、アレルギー、アトピー、肝障害、ホルモンバランス、水質汚染に繋がる恐ろしい化学物質で布巾、マスク、生理用品などには使用を禁止されている成分です。「洗浄力は強いけど環境や人にはどうなのでしょうか？」と言うのが私の意見で、また、海面活性で洗浄力を強くするよりは「他の溶剤などで洗浄力を高める方法もあるのでは」と思っていることを付け加えておきます。

ボールドもアリエールもジェルボール20個入り（500g）で、近くのスーパーでは430円から420円ぐらいで販売されていました。1回当りの金額が約21円から22円ぐらいです。（ランドリーは30リットルのケースで使用量は10g、1回当りの金額は約17円）
30リットルから65リットル（洗濯量2.0kg～6.0kg）で1個の使用となっていますが、洗濯物の量が少ないと割高な気がしてしまいます。65リットルでもジェルボール1つ、30リットルでも同じく1つともなるとコストパフォーマンスも悪くなります。また、シミに直接塗るなどの前処理をして洗濯するなどの工夫もできそうにありません。

使用した方の評判を聞くと、一番気になるのは匂いと言うことでした。香りと言うよりは、「匂い」で2度の濯ぎをしても匂いが強く残るようです。成分の中にも香料と着色剤が明記されていました。ジェルボールの鮮やかな色は着色剤によるものです。また、あの鮮やかなブルーやピンクが幼児の誤飲を誘っているとしたら考慮する余地はあると思いますが。

便利で簡単、洗濯槽周りを汚さないなどの利点をもったジェルボール洗剤、果たして流行るんでしょうかね。これからの動向に注目したいです。

このページのTOPへ